ありがとうジュリアン

1カ月後にはこのフランスを離れ日本で生活を始める事になります。4年前の丁度今頃私はフランスで生活を初めて期待も大きかったけれど、毎日が不安で不安で仕方がなかった。とにかく思い切り練習したかった・・・。(アパートが苦情で吹けなかった為)あれから4年。本当にいろいろな事があって、だけど、もの凄いスピードで過ぎ去り今思うと全部本当は夢で次の日目が覚めたら全部消えてしまうのでは無いかと思うくらい、儚く愛おしい時間を過ごして来たのだと思っています。今までフランスで出会った人達(勿論他の国に行った時に出会った人も)全てに感謝し、その時の気持ちと大切な思い出を胸にこれからを生きてゆきます。例え、どんな困難に出くわしたとしても、何故か今の自分の気持ちならプラスに考えられる、そんな感じがします。それもこれも、周りの人のお陰。

その中で、最も私に影響を与えた大好きな先生の事を書きます。何回か書いているのでもうお解りだと思いますが、ジュリアン・プティの事。
「サリュー、みさと!」と初対面の時満面の笑で私を迎えてくれた先生。いっつも自分の事よりまずは生徒の事。損得関係無し。年末の大みそか前にジュリアンの家に行ったら「ここがみさとの家族だよ」と言ってくれた。何かあるといつも車で送り迎え。いっつも練習している。自分のオーガニゼが下手すぎる。彼の美しい瞳とその純粋すぎる笑顔。今も初対面の時の印象とさほど変わりません。(おっちょこちょいで無頓着だと言う事は十分すぎる位知ったけれど・・・)ジュリアンからは勿論サクソフォンンに関して沢山の事を教わりましたが、それ以上に人としての生き様を見せつけられ、私の中での人間の価値観や物の考え方の観点が大きく変わりました。どこまでもキラキラしたあの人に出会えて本当に私は幸せでした。ジュリアンは絶対に生徒の事をあきらめません。何があっても応援を止めず、何時間もずっと辛抱強く付き添います。もし、困った事や落ち込んでいる事があれば何でも話を聞いてくれて、いつも、親身に相談に乗ってくれた。生徒と先生と言えども、人間同士が付き合いを初め信頼関係で成り立つ物なので、何でも話してね。と。「みさとの大切にしているものや大好きな事って何?」と聞かれた日。その時私は戸惑って何も言う事が出来なかった・・・
初対面から「tu」で話してほしいと。何かの名言であったように、正にジュリアンは「生徒を未来で待つ」先生です。又は一緒に未来へ歩く先生なのかな。もうこんな人に出会えないかもしれない。ジュリアンに出会えた自分の人生に大感謝。大ラッキー。もし、私にもこれから縁あってだれかに教える機会があったならば、私も彼の様な先生になりたい、いや、恐れ多くて出来ないけれど、本当に憧れています。先生がキラキラしないと生徒もキラキラしないでしょ?理想を言うのは簡単かもしれないけれど理想も希望だから言った方がいい。
最後に今月の17日から31日までボルドーのスタージュに行きます。
全部、全部、忘れたくない、全部覚えておきたい。
時間よ、止まれ。

jjulienpetit.jpg
最後の日にプレゼントしようと思います。
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ダニーシュカの事

もう1週間も前の事になってしまったけれど、改めて。
ダニイル・トリフォノフ君がチャイコフスキー国際コンクールで優勝、全部門グランプリを獲得しました。
私の大大大好きなピアニスト君の一人。
おめでとう!

今思えば、ショパンコンクール入賞記念で日本でデビューリサイタルした時も既にチャイコンで弾くプログラムだったし、ずっと前から彼の中にはチャイコンは頭にあったわけで。
しかも一年のうちにショパコン、ルビコン、チャイコン、と3つの大きな国際コンクールで入賞、優勝。
これはただものならぬ、精神力、実力、集中力、とあらゆる能力が問われるのです。
勿論、残念ながら人には同じだけしか時間は与えられてないので、その使い道は頭次第でしょう。

そして彼のプログラミングがこれ又絶妙で。
一次の、スカルラッティのソナタd mollは私が大学の時、憧れで弾いた曲。
彼の第一音を聴いた瞬間、その世界観に誘われ、「ごめんなさい」をしたくなりました。

そしてスクリャービンのソナタ。これも又私にとってはどんぴしゃな曲でスクリャービンは作曲家の中で特に好きなんです。良く大学の頃聴いていたなぁ~。と。スクリャービンの音楽史の授業も採っていました。その音楽史の先生が言うには、スクリャービンをまともに弾ける人はいない。と言っていました。それくらい、難曲ぞろいと言う事らしいですが・・・。スクリャービンの音楽に関しては俗世間的な噂も多いらしいですが、何はともあれ私は好きです。(ダニイルも一番好きな作曲家はスクリャービンと言っていました)

それからコメントしたいのはショパンのエチュードop25。これはイタリアのリサイタルでも聴いたのですが、この曲はもはやエチュードではなく、全曲通して一つのストーリー性を持ち、その1曲1曲の持ち味を十分に生かし、お客さんをワクワクさせなければ意味がありません。このエチュードに関してはルーカスが超が付くくらいものすごく上手いのですが、感覚的に捉えて弾くダニイルのエチュードも最近ではかなり好きです。

フィナルのコンチェルトに関して、これはリハーサルもネット配信で聴けたのですが、まぁ、何とも・・・
オケが、お怪我?
みたいな。笑
フィナルくらい一人一人のソリストに合わせてあげて!
と思いましたが、きっと合わせられないのでしょう・・・・汗

ここで、ダニイルは地元なだけあり、小さい頃からの先生とお父さんと二人三脚でつきっきり(お父さんは録音係)どうにかオケとつじつまを合わせ、だけれどダニイルの音楽は残したい。そんな戦法でどんぴしゃ。
フレーズの最初と最後は合わせるけど中はうんとルバートかけて歌ってとにかく、のっぺらぼうなオケと激対象に演奏した訳です。
う~ん。正解でしたね。

その演奏がどうこうと好みはあるでしょうが、その時に作られる音楽(どんな都合であれ)それも又それはそれでダニイルの音楽だと私は思います。環境が完璧に整ったうえで最高の演奏がしたい、というのは誰もが思う事でしょうけど、そう出来ない時の方が断然多い気がします。練習環境にしてもそう。
2日間のリハ、といえども数時間、その実態を理解してどう動いて自分の実力を出せるかという能力も大事。むしろそれが最後は決めてだったりします。
社会の中でもきっとそういう事は沢山あり、そこで敏感に察知しどう出るかがいかに大事か、と思いました。

心理的に言うと希望を捨てないで、最後まであきらめないで、という事でしょうけど、そんな事は最初からわかっていて、そして精神的にもナーバスにならずに最後まで冷静でいられるか。最後の最後には気持ちいい思いが出来るって分かってるから、したいから、ですよね。


若干20歳にして悟りの域。恐るべし。


私はこの一年とくにいろいろ考えさせられました。好き勝手に自分の好きな事やれた気がする。とくにこの一年。そして大事な物、想いを沢山貰って・・・・。
原点も辿ってみた。
なんでサックスなんだろう?

元々はピアノが好きで、小さい頃とても熱心なピアノの先生に習っていたのが音楽をさらに自分の一部に近づけるきっかけになったのだと思います。先生はスズキメソードでした。(私はちゃんとやっていなかったけれど)
基本的にピアノの練習は好きで今でもサクソフォンの練習はとても好きなのです。勿論出来なくてイライラしたり溜息ばかりですが練習を嫌いにはなりません。
前にもブログで書きましたが小学校の卒業文集に「10年後20年後の自分は?」という欄に「ポーランドのワルシャワにいる」と書きました。今では楽器が違ってパリにいるわけですが音楽的に憧れる気持ちは変わらないし、そもそも崇高なその楽器の魅力にさらに虜になっているし。8月の完全帰国の直前にポーランドへ行ってこようと思います。
ポーランドで主にショパコン入賞者の方々が演奏するフェスティバルがあるのでそれを聴きに。勿論ダニイル君も出演しますよ。
先月チケットを手配しようと連絡したところ、ルーカス、ユリアンナさん、ヴンダー、と主にそこらへんのピアニストはチケット既に売り切れとの事。奇跡的にダニイル君残り1枚をゲットしたので、これは絶対に行かずには居られません。小学校の頃からの夢みたいな物が叶うのかな?と思うとなんだか心が穏やかになります。


そもそも、音楽の原点に感謝する事に気づかせてくれたのも「今」という時間を過ごしてきたからだろうし、何だか、人生ってわかりません。本当にいろんな意味で留学して良かったと思います。


daniiiiiil.jpg
優勝記念に描いてみました。これは昔のプロフィール写真を見て描いたので今はもう少し違った顔付きですね。描いてて思った事。彼の眼はとても澄んでいました。
プロフィール

塙美里

Author:塙美里
塙美里(サクソフォン)茨城県出身 

高度な技術を伴い、謙虚なひたむきさと情熱を持つ先進的なコンサートサクソフォニスト。2007年前田記念奨学生奨学金を授与され渡仏。2008年U.F.A.M国際音楽コンクール室内楽部門を審査員全員一致の第1位で優勝。(フランス)併せて審査員特別賞受賞。2011年レオポルド・ベラン国際音楽コンクール第1位受賞。2010年第8回パドパ国際音楽コンクールヴィルトゥオーゾ部門ディプロム取得。(イタリア)2011年第3回スタンジェル国際音楽コンクール第3位受賞。(スロベニア)その他、海外の様々なコンクールで入賞。フランス国立セルジー・ポントワーズ音楽院をサクソフォン科、室内楽科、共に最優秀の成績で卒業。カンブレ音楽院最高課程を審査員満場一致の称賛付きの首席で卒業。パリ13区モーリス・ラヴェル音楽院室内楽科で研鑽を積む。2010年にカンブレ音楽院教授ジュリアン・プティ氏の助手を務める。これまでにサクソフォンを原博巳、ジャン=イヴ・フルモー、ジュリアン・プティ、クリスチャン・ヴィルトゥ、ベアトリス・レイベル女史の各氏に師事。



その独特の煌びやかな音色と独創的な音楽性で国内外のリサイタルは満員の会場を湧かせている。所有するレパートリーは計り知れない。 ダニール・トリフォノフ氏(2011年チャイコフスキー国際コンクール優勝、グランプリ受賞)、フランス人作曲家A.ナルボーニ氏による日本初演作品を発表。現田茂夫氏指揮、日本センチュリー交響楽団とJ・イベールの協奏曲を大阪ザ・シンフォニーホールにて共演。ウィーンフィルの拠点の楽友協会にて現地のオーケストラとサンサーンスの序奏とロンド・カプリチオーソを共演。NHK-FMリサイタル・ノヴァ、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンに出演。016年6月にはアメリカ、ウエスト・ヴァージニア大学にてソロ・リサイタルを開催予定。





2014年10月にオクタヴィアレコードより待望のデビュー・アルバム「エディット・ピアフを讃えて」をリリース。(世界初録音収録曲有り)発売日に予定枚数を完売し大きな話題を呼んだ。

塙美里公式ホームページ
http://misatosax.wix.com/misatosax-
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